何十年ぶりかの浅草演芸
 

 当会の元会員でもある、いなせ家半七師匠が、「浅草演芸ホール」にかかっている「五代目 春風亭柳朝 三十三回忌追善興行」に出演するので行ってみた。浅草で演芸鑑賞なんて、何十年ぶりだろうか。半七さんは、五代目 春風亭柳朝師匠のお弟子さんだったということで、当日は柳朝師匠ゆかりの演者が二十数人、時間も朝11時40分から夕方の16時半までみっちり演じる。



 浅草といえば、昼呑みスポットでもある。午後3時。さすがに三時間も観続けていると、心はすでに呑みモードにシフト。仲入りで離脱して近くにある「水口食堂」へ。



 正式には、食事処・酒肴「水口」が店名なのだが、水口食堂が通り名として定着している。食堂という名ではあるが、実際のところは呑んべえの巣窟。朝10時から開いているので、浅草界隈の昼呑みの聖地でもある。浅草には「神谷バー」やホッピー通りなどもあって、昼呑みにはことかかない。



 まずは、赤星と湯豆腐でひと息。一時間半ばかりうだうだ呑んで、そろそろ寄席も終演の時間か。自分にとっての仲入り後は、酒演といったわけだ。

 
 
 浅草の中心街から少し離れた裏道にある「シナノヤ」。いわゆる角打ちってやつ。浅草で角打ちといえば、創業130年の酒屋「四方酒店」で何度か呑んだことはあるが、ここは初めて。店の中というか、隅に倉庫の片隅といった雰囲気の呑み所があって、隠れて呑んでいるような妙な背徳感がある。

 

  角ハイボール(350ml缶)で、しばし。さて、帰ろうかと駅までの道すがら、ええ感じの中華屋がある。

 

「生駒軒」。見るからにこれぞ地元密着型の町中華といった店構え。思わず吸い込まれて、餃子にビール中瓶。

 

 今度こその帰り道、そういえばあそこはどうなってるのだろうと「浅草地下街」をのぞいてみたら、雰囲気はあいかわらずのディープスポット。ただ、何度か呑んだ「おにぎり酒処 たんぼ」や「亀寿司」、そのほか怪しい雰囲気のタイ料理屋をはじめ、何店かがなくなっていたり、別の店に様変わりしていた。どうやら、ここも新宿のゴールデン街や思い出横丁と同じく、若い世代のオーナーが店開きしているようだ。古い店がなくなっていくのは寂しい気もするが、こうして昔ながらの雰囲気が残っていくのはうれしい。
 なんせ、1955年から当時の姿で生き延びているのだから。

(温泉呑んべえ)
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