湯るキャン
 山梨市にある「ほったらかし温泉」。1999年に、温泉以外には何もない施設としてオープンした。開設当時に行ったときは、簡易的な掘っ建て小屋風な受付くらしかなく、まさしく、ほったらかされ状態であったが、いつの間にか当時からある湯が「こっちの湯」で、さらに奥にもうひとつ「あっちの湯」、そのほかお休み処や展望テラス、軽食スタンド、売店などが立ち並ぶ、今やほったらかされてない湯に発展している。
 標高約700メートルの高台にある露天風呂からの絶景は昔のままで、正面の山並みの向こうには富士山、眼下には甲府盆地という景観が味わえる。泉質はアルカリ性単純温泉で、泉温は湯船によって若干違うが、体感で40度から41度あたり。


あっちの湯の入り口

 こっちの湯には、それぞれ7、8人くらいの、ぬるめの「ぬる湯」と少し熱めの「あつ湯」湯船と10数人が入れる岩風呂、それに小ぶりの内湯がある。あっちの湯のほうが広く、20人くらい入れる木造りの浴槽と、その下にこちらも20人くらいが入れる石造りの湯船があって、どちらからも絶景が楽しめる。
 あっちの湯には、ほかに中くらいの内湯と広めの洗い場も完備していて体を洗うこともでき、昔は景色を堪能するのが目的のような場所だったが、今やいっぱしの日帰り温泉として機能している。営業時間は日の出の1時間前から午後10時までで、日の出と夜景スポットとしても有名だ。


あっちの湯からの夜景(公式ホームページより)

 そんなほったらかし温泉の奥には、いつの間にかキャンプ場ができていて、今や山梨県内でも人気のキャンプ場として知られている。各区画には車乗り入れもでき、けっこうお手軽に利用できるのもいいが、一番の魅力は、ほったらかし温泉と同じく景観。向こうに富士山、下に広がる豆粒のような街並み。今回は、おひとりさま用の「ぼっちサイト」で二泊のキャンプと決め込んだ。



 午後14時にチェックインし、まずはテントの設営。そのあともろもろの準備をして、1時間後にようやく一杯。あさり煮の缶詰をバーナーで温めてエビスをぐいっとな。天気もまずまずで、まだまだ冠雪の残る富士山を眺めながらのビール、最高です。



 陽も傾き始めたので、徒歩10分弱くらいのほったらかし温泉へ。平日にもかかわらずそこそこの入浴客がいたが、それでも富士山を含む絶景を眺めながら、しばしほっこりだ。夜景も楽しみたいが、今回はキャンプが主なので1時間くらいで引き上げて、夕食の準備にとりかかる。



 キャンプの楽しみのひとつは焚き火。暖をとれるだけでなく、ゆらゆらとゆれる炎を見て、パチパチと鳴る音を聞いているだけで癒される。



 調理の火力は炭火。今夜の主菜は鳥モツ。モツを直火で焼きながら、ワイン。刻々と夜も更けていき、見上げれば満天の星、といきたいところだったが、月がでてきてそれはかなわなかった。そんなこんなで、キャンプの夜は早い。しばし酒に酔って、就寝とあいなった。



 翌日も日がなビールで過ごす。この日は、日の出を見ながらの入浴も、日中の富士山を見ながらの入浴も、夜景を見ながらの入浴も、けっきょくはしなかった。なんせ、1回につき入浴料800円はでかいし、歩いて行くのもかったるい。のんびり風にあたりながら呑んでいると、それだけで温泉につかっているのと同じくらい気持ちいい。

(温泉呑んべえ)
2023.04.14 23:43 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 日々のできごと

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