猿ヶ京なのに猿がない
酒場with温泉(仙台)

東北地方の温泉旅に行くとき、東京への帰路で仙台を通る場合は、途中下車をして必ず寄る酒場がある。その名は「源氏」。仙台のみならず名が知られる名酒場である。
路地奥にひっそりとあるその酒場は落ち着いた木調で、電球色の灯りがうっすらとともる店内はそれほど広くはなく、詰めて20人ほどが座れるコの字カウンターのみ。口開け前から人が並び、およそ20人くらいが並んでいれば、一時間くらいは待たなければ呑めない。
お酒はビールと日本酒が四種類のみ。日本酒はひとり4杯までで、まず漬物が供され、1杯ずつに酒のつまみが付く。1杯目は酢の物、2杯目がやっこ豆腐。3杯目が刺身の小皿、そして4杯目がおでんかみそ汁となる。日本酒1杯が900から1100円なので、3杯呑むとだいたい3000円くらい。
まさしく大人の隠れ家的酒場の源氏であったが、ネット情報があふれてもはや隠れてはいない。年配の常連さんが多かった客層も、近ごろは若い人が増え、そのぶん騒がしくなって(元気ともいう)、以前の凛とした雰囲気はなくなってきている。まあ、自分も若かったときもあるので文句などないが、この雰囲気を守っていくのも次世代の呑んべえである若人の努めだ。
それでも、いつ訪れてもテキパキとしきる着物姿が艶やかなおかみさんがいる限り、この酒場は安泰にちがいない。
(温泉呑んべえ)
素通り絶品ラーメン
茨城県水戸市から会津若松市に至る国道118号線は、二岐温泉や岩瀬湯本温泉に向かうときに通る、主要幹線道路だ。国道から二岐温泉に向かう分岐から西に車で10分ほどの場所に、ポツンと1軒の食堂がある。それが「羽鳥食堂」。

ほとんどの人が素通りをし、それが食堂があることもわからないほどの地味な佇まい。そんな空気のような食堂、でもそういう地味さがたまらない人種にとっては、目をとめざるをえない雰囲気を醸し出している。
二岐温泉に行く道で見つけ、帰りには必ず立ち寄ろうと心に決めた。今、食事すると宿での夕食に差し支えるので、後ろ髪をひかれる思いで「大丸あすなろ荘」へ向う。明日、やってるかな? やってるといいのだが・・ そんな思いを胸に温泉につかるのもどうかと思うが、温泉旅の醍醐味はなにも湯だけではない。こういう自分なりのオプションが格別でもあるのだ。

翌日、チェックアウトを済ませ帰路につく。前方には赤い幟が見え、車を店の手前の路肩に停める。時間は午前10時半をすぎたあたり。ちょうど店主らしき人が出てきて、暖簾をかけた。やった! 店内はそう広くはないが、四人がけのテーブルが何卓か並んでいて、安普請だけど掃除もわりと行き届いている。食堂メニューがいくつか並んでいるけれど、店主はラーメンならできますとポツリ。

ラーメンで十分だ。なにせ今朝は宿でそこそこ豪勢な朝食をとってまだ間もない。お腹はまだ空いていいるわけでもないが、どうしてもここで食事がしたかったので、ラーメンくらいしか無理かもしれない。店内の奥には薪ストーブが鎮座してて、そのうえに鍋があり、どうやらここでラーメーンスープを温めているようだ。

ほどなく提供されたラーメンは、いたってシンプル。でも、見るからによくある食堂の醤油ラーメンではない。スープを口に含むと濃厚な味わい。豚こつ? いや、それほど臭みはないが、店主に聞くと鳥こつ醤油という。なるほど、すっきりとしたうえに濃い味わいが中太ちじれ麺にからんで、これは旨い。まさか、こんなところでこんな旨いラーメンに出くわすとは思わなかった。

ごちさそうさまでした。店主とひと時世間話をしておいとま。食べログにも載ってない店だけど、Googleマップの口コミにはこんなコメントが残っていた。「日本一まずい。買ってきた喜多方ラーメンに魚醤油を使ったというラーメン」。そうなのか? 喜多方ラーメンだと醤油系なんだけど?? 味覚は人それぞれだが、こうも感想が違うとは。それとも自分がバカ舌なのか・・・ まあ、仮にそうだっとしても自分が美味しいと思えたなら、それはそれでいい。なにせ、こういったジミ系の食堂が大好きなのだから。
(温泉呑んべえ)

ほとんどの人が素通りをし、それが食堂があることもわからないほどの地味な佇まい。そんな空気のような食堂、でもそういう地味さがたまらない人種にとっては、目をとめざるをえない雰囲気を醸し出している。
二岐温泉に行く道で見つけ、帰りには必ず立ち寄ろうと心に決めた。今、食事すると宿での夕食に差し支えるので、後ろ髪をひかれる思いで「大丸あすなろ荘」へ向う。明日、やってるかな? やってるといいのだが・・ そんな思いを胸に温泉につかるのもどうかと思うが、温泉旅の醍醐味はなにも湯だけではない。こういう自分なりのオプションが格別でもあるのだ。

翌日、チェックアウトを済ませ帰路につく。前方には赤い幟が見え、車を店の手前の路肩に停める。時間は午前10時半をすぎたあたり。ちょうど店主らしき人が出てきて、暖簾をかけた。やった! 店内はそう広くはないが、四人がけのテーブルが何卓か並んでいて、安普請だけど掃除もわりと行き届いている。食堂メニューがいくつか並んでいるけれど、店主はラーメンならできますとポツリ。

ラーメンで十分だ。なにせ今朝は宿でそこそこ豪勢な朝食をとってまだ間もない。お腹はまだ空いていいるわけでもないが、どうしてもここで食事がしたかったので、ラーメンくらいしか無理かもしれない。店内の奥には薪ストーブが鎮座してて、そのうえに鍋があり、どうやらここでラーメーンスープを温めているようだ。

ほどなく提供されたラーメンは、いたってシンプル。でも、見るからによくある食堂の醤油ラーメンではない。スープを口に含むと濃厚な味わい。豚こつ? いや、それほど臭みはないが、店主に聞くと鳥こつ醤油という。なるほど、すっきりとしたうえに濃い味わいが中太ちじれ麺にからんで、これは旨い。まさか、こんなところでこんな旨いラーメンに出くわすとは思わなかった。

ごちさそうさまでした。店主とひと時世間話をしておいとま。食べログにも載ってない店だけど、Googleマップの口コミにはこんなコメントが残っていた。「日本一まずい。買ってきた喜多方ラーメンに魚醤油を使ったというラーメン」。そうなのか? 喜多方ラーメンだと醤油系なんだけど?? 味覚は人それぞれだが、こうも感想が違うとは。それとも自分がバカ舌なのか・・・ まあ、仮にそうだっとしても自分が美味しいと思えたなら、それはそれでいい。なにせ、こういったジミ系の食堂が大好きなのだから。
(温泉呑んべえ)